Pepperハッカソンって、何もない砂場なのでは?

投稿者: | 2016年10月1日

▲後ろの方からこっそりと。

▲後ろの方からこっそりと。

攻守交代!今週は聞き手に回ってみた!

どういうことかというと、先週登壇させてもらったPepperの作品展示会、第2弾があったので、
今回は登壇者ではなく、観客として参加してきました!
印象に残ったシーンを中心に、紹介させていただきます。

※参考
第1弾の様子(一部)はこちら! → キノコ×Pepper、4ヶ月ぶりの観察日記

◆Pepperは未来の募金箱!?
最初の発表は「AId」というプロダクトについて。
僕は残念ながら途中参加だったため、ほんの少ししか聞けませんでしたが…
Pepperを街角の募金活動に立たせたらどうなる?ということを提案したチーム。

作りはとてもシンプル。
Pepper+募金箱(木箱)+電子回路!
募金のターゲットを見つけては視線を送りまくり、募金に迷っていれば催促する仕様。

でもそれ現状だと、Pepper単体で募金活動とか無理じゃないですか?
人間がPepperの隣に立って「Pepperくんが募金を集めてますー!」だなんて、
とってもかなーり、うさんくさいのでは?
…と思ったので、質疑応答で聞いてみました。

どうやら意図としては、「現時点では、ロボット単体での募金活動は難しいけれど、
将来的にロボット単体を街角に立たせて、募金活動をするための試作として作った」ということみたいです。
あくまで、将来への提案っていうことのようです。

「Pepper+木箱+電子回路」というシンプルな作りにしているのは、将来を見据えて、
ロボットの単体行動が可能になったら、どんなロボットにも簡単に導入できるように、ということなんですって!

残念ながら、デモ展示はなし。実際に募金、してみたかったなあ。

◆日本最古のPepperは、アナログな工夫に満ちていた!
さて、続いてのチームは日本最古のPepperをプレゼン!
Pepper at BEAMS JAPAN HACK 2016に参加したチームです。

どういうこと?
よく見ると、Pepperのカラダはツタだらけ。
目のLEDライトもなんだかヘン。
胸のディスプレイに至っては、割れてるように見えますけど!?

なにより、流行の最先端のBEEMS旗艦店に、「日本最古のPepper」って、なんで!?
どうやら、来客した人々を驚かせよう!という、インパクトを狙ったプロダクトだったみたいです。
壊れかけのPepper、オーパーツ感がとっても強い!

しかし残念ながら、BEAMSハッカソンでの結果は、入賞ならず。
審査員個人へのインパクトは実際に強かったものの、BEAMS1階に置くにはインパクトが強すぎたっぽい。
技術よりも装飾や視線誘導に凝っていて、僕も好きなプロダクトだったんだけど…本当に惜しい!

◆Pepperを指導教官にしよう!
続いては、「PEPAZAP」についての発表。
ペパザップ…ん?んん?
そう、Pepperに筋トレのトレーナーになってもらうという仕組み。

Kinectと組み合わせて、ユーザーの筋トレの姿勢を監視して、
正しく筋トレができているか、Pepperが指導してくれる!というシステムです。

「Pepperを使う必要あるの?」って声もありましたが、僕はこの作品、素晴らしいと思います。
日常生活をともにしていて、人型をしていて、コミュニケーションが取れるトレーナー。
Pepper以上に適任者がいるでしょうか?

Apple Watchのような、普通のデバイスや健康管理アプリにはできない、
「一緒に目指して、達成して、共感できる」という仕組みを、「PEPAZAP」では実現していたように思います。

ぜひ、筋トレメニューやリアクションのバリエーションを増やした上で、
ライザップさんと組んで、公式アプリとして配信して欲しい!

◆これぞエンジニア集団!Pepperを簡単に一斉に動かす技術とは?
最後の発表は、「Marionette」を作ったチームの皆さん。
「マリオネット」の名の通り、Pepperを思い通りに動かすには、
何台も同時に動かすにはどうしたらいいか?ということを究めたチーム。

その答えは…Web Socketを使って、コマンド1行で実現。
Pepperの腕の上げ下げから、移動に至るまで、何台も同時に、いとも簡単に実現してみました。
ガチのエンジニアって、すごい。

また、WebSocket+コマンドなので、Pepperの個体ごとに微妙に違う動きをさせることも可能なのが強み!
ユニットでのダンスパフォーマンスとかも可能ってこと?やっぱりすごい。
ただし、コマンドの指示通りにモーターが動くとは限らないため、そこは頭に入れておく必要がありそうです。

Pepperを同時に動かしたいって、多くのPepperデベロッパーがぶち当たる願望であり、壁だと思うので…
車輪の再発明を防ぐべく、もっと多くの人に広まってほしいな!と思いました。
僕もさっそく試してみよう!

◆Pepperにはまだまだ「実験できる余地」がたくさん!
イベントの感想は以上です。
Pepperのアイデアって、まだまだこんなに転がっていたんだ!と思わされたイベントでした。

僕が聞いていて刺激を受けたのは、
「ハッカソンは腕試し。短時間でアウトプットしつつ、世間のエンジニアと自分のレベルを知ることもできる。」
「『○○ができるPepper』のような、機能ベースのロボットは新しくない」という言葉。
そういうことを考えている人がいるって、同じPepperクリエイターとして嬉しくなりました。

やっぱり、ハッカソンって実験場ですよね!
Pepperハッカソンは特に、「まだまだなにもない、自由に遊べる、きれいな砂場」だと思います。

今後もこういうハッカソンや、意欲的なイベントがたくさん増えたらいいなあ。
どんどん参加したいし、主催もしてみたい。大変そうだけど!

ともあれ、今回はここまで。ありがとうございました!